朝日ネット 技術者ブログ

朝日ネットのエンジニアによるリレーブログ。今、自分が一番気になるテーマで書きます。

コロナ禍でここまで変わったmanaba ~利用状況の変化とその対策~

開発部のwatanabeです。

新型コロナの影響で授業のオンライン化をした教育機関が多くなりましたが 以前からLMSとして授業のサポートを行っていたmanabaでもユーザの利用方法が大きく変わりました。

※manabaとは(サービス紹介サイト) manaba.jp

今回、実際のログを調査し コロナ禍でのmanabaの利用状況の変化と、それに対して朝日ネットが行った対策をまとめてみました。

どの機能が使われるようになったか

どの機能がコロナ禍で使われるようになったか 昨年度の同時期との比較を複数の大学で行ってみました。

コースニュース(manabaの各授業で教員が配信するお知らせ)・課題・コンテンツ(資料置き場)の数と、そちらに対してのコメントが集計対象となります。

1:A大学

f:id:watanabe06:20200910190526p:plain

各機能の利用率は大きく変わらない中、提出物へのコメント数が増えました。 このことから教員と学生の提出物についてのやりとりが増えたように思えます。 また掲示板コメントやプロジェクトでのコメントも依然多く、教員だけでなく学生間でも盛んにコミュニケーションが行われているようです。

2:B大学

f:id:watanabe06:20200910190540p:plain

こちらも各機能の利用率は大きく変わっていないようですが 掲示板のコメントと提出物へのコメントが7割を占める状態でした。 全体の利用率が元々高かった環境のためオンライン授業がメインになっても運用方法はそれほど変わらなかったのかもしれません。

3:C大学

f:id:watanabe06:20200910190555p:plain

元々掲示板が盛んに利用されているようですが、提出物へのコメントの利用率が倍以上になり、課題に関しても 教員と学生とのやり取りが多く行われたようです。

4:D大学

f:id:watanabe06:20200910190610p:plain

元々コンテンツのページでの資料の提示や、レポート等課題の開催がメインだったようですが、 そちらは引き続き利用されつつ、コースニュースと提出物へのコメントの利用率が倍増していました。

機能の利用状況まとめ

対面でのコミュニケーションが行えない分、manabaでのコメント、特に講評として提出物へのコメント機能がよく使われていたようでした。 また、コースニュースも利用率も全体的に上がっており、授業に関するお知らせはコースニュースをメインに利用されているように思えました。

時間帯によるアクセス数や提出数の変化

授業のオンライン化により、場所を選ばなくなったことで どの時間帯へのアクセスが増えたか・課題を提出する時間帯に変化があったかの調査を複数の大学で行いました。

E大学

f:id:watanabe06:20200910160755p:plain

時間帯別アクセスについて

昨年度は昼間全体にアクセスが多い傾向がある程度でしたが、授業の時間帯へのアクセスが顕著になりました。manabaには授業のリアルタイム配信をする機能はありませんが、授業時間中やその前後に学生向けのお知らせをする授業が多いようです。

課題を提出する時間帯について

アクセス数と似たような傾向でした。

F大学

f:id:watanabe06:20200910195318p:plain

時間帯別アクセスについて

こちらも授業中と思われる時間帯へのアクセスの割合が増加していました。

課題を提出する時間帯について

課題の提出数は授業時間帯より、22,23時が多い状態でした。0時に締め切りの課題が多かったのか夜まで粘る学生さんが多いのでしょうか。

時間帯によるアクセス数や提出数の変化まとめ

オンライン化で場所と時間を問わずに授業を受けられるとはいえ、やはり本来の授業時間へのアクセスが多い結果となりました。 例えば動画配信サイト等で講義がリアルタイムで配信される場合、manabaでそちらの情報(URLや資料)が掲載されることで、その時間帯に学生さんがアクセスする…という運用が多かったのかもしれません。 課題提出数は昨年度と比較してみると深夜(0時以降)の提出の割合が増えておりました。学生さんは昼夜逆転しやすい環境とはいえ、生活リズムの乱れには気をつけたほうが良いのではないでしょうか。

アクセス数の変化と対策

まずこちらが去年4月同時期の、あるページへのアクセス数比較のグラフです。

f:id:watanabe06:20200914164156p:plain

去年は本来の4月初旬から新学期が始まっていたためピークもそのあたりですが、今年は授業のオンライン化により遅らせた大学が殆どで4月下旬頃に一番アクセスが多い状態でした。 また、ページビュー数も685.27%プラス、とmanaba導入校全体で見ると去年に比べアクセスが約7倍になっていることも分かりました。

お客様の対応

4月下旬から6月下旬までアップロード可能なファイルを小さくするお願いをさせていただいておりました。 また、負荷の集中を避けるため、定期試験やレポートの締切日も分散して頂きました。

以下はご協力いただいたお客様の環境の、利用状況のグラフです。

去年の同時期の課題開催数の比較になります。

f:id:watanabe06:20200917191943p:plain

提出された課題数が4倍になったにも関わらず、締切を分散していただいたことで、サーバ負荷上昇を低減することができました。

ご協力、ありがとうございました。

朝日ネットの対応

そして朝日ネットの対応として 倍増するアクセス数に応じた通信量に耐えられるようにするため、ハードウェアの増強やそれに伴うチューニングを行いました。

導入時よりやや大きめのリソースを確保していた環境も、 昨年度から利用が数十倍に膨れ上がった環境も、それぞれ個別に調整しました。

その上でmanaba全体のリソースとしては、お客様が今後継続して利用し続けても問題ないように、

  • サーバの台数
  • CPUコア数
  • メモリ容量

前年比約2倍の強化を行いました。

まとめ

お客様にもご協力いただき、現在manabaのサーバは安定稼働しております。

また、利用率も上がったことで今までmanabaに触れてこられなかったお客様より、たくさんのご意見・ご要望も伺うことができました。 こちらにお応えできるように、また、今後需要が増えそうな機能を先回りして開発することで、manabaをより使いやすくなるよう努めていきます。

採用情報

朝日ネットでは新卒採用・キャリア採用を行っております。

新卒採用 キャリア採用|株式会社朝日ネット