朝日ネット 技術者ブログ

朝日ネットのエンジニアによるリレーブログ。今、自分が一番気になるテーマで書きます。

新卒社員との座談会 第2弾

はじめに

サービス基盤部のxfuzzyです。 2020年4月入社の新卒社員と先輩社員が、ざっくばらんに話す、座談会の第2弾を行いましたので、レポートします。 第1弾はこちらです。 今回は、新卒社員が受けた研修の感想と、先輩社員とのQ&Aが主な内容です。

前回同様、座談会は、朝日ネットのセミナールームで、密にならないように留意してお弁当を食べながら実施しました。

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座談会の時に用意したお弁当

研修の感想

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本日もよろしくお願いします。8月~10月に実施した、技術部門新卒社員研修はどうでしたか?
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特に印象に残っているのはネットワーク分野の内容ですかね。
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1人1台ずつCiscoやJuniper、NECといったメーカーの業務用ルーターを担当し、OSPFやBGPなどを設定して3人でネットワークを構成するという演習がありました。この演習はとても手ごたえがあり、楽しかったです。
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業務用ルーターに触れる機会は、コンピュータ系の学部にいたとしてもなかなか無いですよね。難しかったんじゃないですか?
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確かに、ルーティングのパラメータの設定をするのは難しかったです。ルーターの機種による差異があったりして、教科書通りには行かないことを体験できました。ネットワーク屋さんの気持ちがわかったかなと思います。
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なかなか難しそうですね。ちゃんとついていけましたか?
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入社前はネットワークにあまり触れたことが無かったのですが、研修ではOSI参照モデルやTCP/IP、ブラウザでURLを打ち込むと何が起こるかといった初歩的なところから学ぶことができました。
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技術的なことだけでなく、講師の方からはISP*1ならではの裏話も聞けたりして、それも含めて興味深かったので、しっかり学習できたと思います。
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そうだったんですね。よかったです。ネットワーク以外も含めて、研修全般はどうでしたか?
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開発分野の研修ではJavaの基礎から始まってフレームワークを用いたアプリケーション作成まで経験することができました。全体を通して新卒社員同士でディスカッションしながら学べたので理解が深まったと思います。
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システム分野ではAWSやAnsibleといった技術も扱ったのですが、このような技術は独学での学習もできなくはないけど難しいところがあると思います。今回、講師についてもらいながら、まとまった学習時間をとった研修で効率よく技術を習得できました。
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貴重な意見を聞かせていただきありがとうございます。
今後は朝日ネットの業務で様々な技術を活用していくことになると思いますが、研修の内容はその一部ですので、引き続き、ドキュメントを読んだりするだけでなく、プログラム等を作ることを通して、技術を身に付けて行ってください。時にはミスというか、サーバーとかを壊してしまうこともあるかもしれませんが、そのような経験によってしか得られない知見もあります。失敗を恐れず、なるべく積極的に動いて、朝日ネットのエンジニアとして、どんどん成長して行ってくださいね。

先輩社員とのQ&A

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ではここからは、様々な先輩社員に質問してみましょう。新卒社員の3名に事前にアンケートを行い、話をしてみたいと挙げていただいたロール(役割)やポジション(職位)の社員に来てもらっています。よろしくお願いします。
まず、ユーザー部門と直に接して要件調整や、開発プロジェクト内での進捗管理を担当しているAさんです。
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マネージャーの役割だと思うのですが、コードを読むことはあるのでしょうか?
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基本的には私がコードを直接読むことはあまりないです。ただ、適任者がちょうどよいタイミングで空いてない場合は私が読むこともあります。
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業務上どんなことに気を付けていますか?
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要件や仕様についてユーザーとのコミュニケーションを通して確定させて行くのは、プログラムを書いたりして実装・構築するのとは違う難しさがあると思います。そういったコミュニケーションは私の方で引き受けるということで、エンジニアがプログラムを書くことに集中できる環境にしていくことを意識しています。
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それならエンジニアの仕事はやりやすそうですね。ちなみに要件定義のコツはありますか?
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「複雑な要求があったときも、なるべくシンプルな仕様になるよう、相手のやりたいことを掘り下げ、シンプルな要件へ整えて進めて行く」ことですかね。複雑な仕様のシステム開発になると、たとえば半年経つだけで、直接関わった人ですら細かい仕様やその背景を即答できなくなったりします。あと純粋にバグが入り込みやすくなります。そのため、シンプルな要件になるように進めて行くことが大事です。

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次に、当社の「IPv6接続サービス」(VNE事業)の提供に必要なプログラムの開発を担当しているBさんです。
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「IPv6接続サービス」はどのようなサービスですか?
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NTT東西のフレッツ網(NGN)を使ったインターネット接続サービスは、IPv4トラフィックの増加に十分対応できず、時間帯によっては速度が遅くなるという課題があります。この課題を解決するため、当社では「IPv6接続サービス」を開始し徐々に使用が増えて来ています。「IPv6接続サービス」は、2017年にサービスインして、2019年にDS-Lite対応などを行いましたが、まだ始まったばかりですので、今後しばらくは様々な機能を開発し追加していきます。*2
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「IPv6接続サービス」のプログラムはどのような技術で構築されているのでしょうか?
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ソフトウェア面では、言語としてはJava、bashスクリプト、Go、Haskell等で、インフラとしてはAWSも使って構築しています。言語を選ぶ基準は、社内にあるJava資産と連携が必要な場面ではJavaを使っていたり、あとはメンバーの得意な言語を使っています。Haskellのパッケージマネージャとして、Haskell以外の依存パッケージ(libgmpなど)も一括で管理できるNixも使ってます。

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最後にmanaba開発チームのCさんとDさんですね。
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画面のデザインってどのようにやっているのですか?
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manabaの場合は、レイアウトの基本的なルールは決まっているので、まずはその通りにして、そこからさらにCSS等を微調整していく感じです。
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manabaの開発のメイン言語はPerlだと聞いていますが、Perlで大規模プロジェクトを作るのは大変じゃないですか?
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実はmanabaは設計が初期からよくできていてコードベースは今まできれいな状態が保たれており、保守はしやすいです。Perlは動的型付け言語である、等の特徴から、複雑なプログラムを書きにくい、と思われるかもしれませんが、使い方次第ですね。逆に、どんなによさそうな言語を使っても、ソフトウェアエンジニアリングを適切に実践しないと、保守がしにくくなるので気を付けてください。
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manabaの開発は今どのようなことをやっているのですか?
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種々の機能追加や改善は継続的に行っていますが、現在、manabaチーム内でホットなキーワードは「教育の質保証」です。「教育の質保証」については文部科学省の中央教育審議会による答申の内容を踏まえて、各大学で施策を実施することが予想されます。そのような施策(例えばディプロマポリシーへの達成度評価)に役立つ機能をmanabaに追加することが検討されています。教育行政の情勢はmanabaの開発にも影響があるということですね。
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先輩社員の皆様、ありがとうございました。
今回、こうして新卒社員と先輩社員の交流が出来て良かったと思います。例年は忘年会等で様々な社員と話す機会があるのですが、今年は新型コロナウイルスの関係でできませんでした。今回の座談会が、先輩社員との交流の場としての役目を少しでも果たせたら嬉しいです。

まとめ

技術職の新卒社員座談会の模様を紹介しました。技術部門研修では、新卒社員それぞれに得たものがあったようです。先輩社員とのQ&Aでは、各プロジェクトの現状や技術スタックの話題が飛び出しました。私も、知らない話が多く聞けて勉強になりました。

新卒社員の皆さんは、3月でOJT期間が終わり、4月からは各部に正式に配属されました。配属後は、それぞれが得意だったり興味がある分野を活かして朝日ネットで活躍することを願っています。

採用情報

朝日ネットでは新卒採用・キャリア採用を行っております。

新卒採用 キャリア採用|株式会社朝日ネット

*1:インターネットサービスプロバイダ―:インターネット接続を提供する事業者

*2:サービスの沿革は次のページにも記載されています https://asahi-net.co.jp/corporate/history.html#history