朝日ネット 技術者ブログ

朝日ネットのエンジニアによるリレーブログ。今、自分が一番気になるテーマで書きます。

ASAHIネット会員専用ページを(だいたい)刷新しました

朝日ネットで開発業務を担当しているmuratamです。

ASAHIネット会員専用ページを刷新します という記事を投稿してから1年半が過ぎました。

その間にプロジェクトが進行し多くの手続き窓口が新システムに移行されました。 タイトルの "だいたい" が示す通りまだ完全移行には至っていないのですが、主要な手続き窓口で移行が進んできたのでそれらの移行についてスポットを当ててみようと思います。

そもそも何をしていたのか

ASAHIネット会員専用ページはASAHIネット会員、つまりASAHIネットの各種サービスをご利用いただいているお客様がサービスに関する情報を見たり手続きができるwebサービスです。 しかしこの会員専用ページを長い間提供し続けるにつれてインフラの老朽化が進んできたため刷新することにします、という話でした。 外部的にはデザインをやりなおしてスマートフォンへの対応を、内部的にはフロントエンドとバックエンドへの分割を行いました。 また、お客様自身で完結できる手続きの種類を増やすことも同時に検討することとしました。

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プロジェクトの進行

移行先の新システムを"マイページ"と呼ぶことにして、マイページプロジェクトという名前で進めました。

お客様サポートの部署からもメンバー1が参加し外部仕様について責任を持つという形式にしました。 社内の話だからこそ、要望を出すだけではなく参加することには大きな意義があったと感じています。

ASAHIネットが提供しているサービスには多くの種類があり、その数だけ状態の参照・手続きをするページが存在します。 それらを一気に作るのですから多くの時間がかかることは容易に想像がつくでしょう。 それでも移行がだらだらと長期化するのは高コストなので、時間の制約は厳しくなりますが2年程度での移行を進めることとなりました。

開発を進める

フロントエンド・バックエンドともに Jersey で構築しています。 これはマイページがほぼすべてのISPサービスに関連するプログラムであるという性質上、 ASAHIネットの多くのシステムで使われている言語である Java と、Javaと相性のよいフレームワークを採用することで学習コストをなるべく下げたいという狙いがあります。

フロントエンドの画面テンプレートとしてThymeleafを使用しています2。 見出しやボタン、テキストボックスなどをThymeleafのfragmentとしてパーツ化を行い、 そのパーツを画面に配置していくことで画面を構成できるようにしました。 もっとも、あまりにパーツの種類が多くなってカバーしきれないこともありますが実感としては多くの場面ではカバーができていたと思います。

今回の新システムへの移行にあたってのチャレンジとしてフロントエンドとバックエンドの分離を行いました。 この分離が当然一筋縄ではいかないので、前回の記事で役割分担のガイドラインを設けた旨を書きました。 それを遵守することでたいていの場合はうまく分離ができたと考えています。

移植で得られるもの

このプロジェクトは言ってしまえば古いシステムから新しいシステムへの移植なのですが、"移植"の裏で考えなければいけないことは多いです。 長く運用されたプログラムにはその過程でわかってきた種々の知識が埋まっているものです。 提供してきたサービスそれぞれに積み上げられた歴史があり、それを改めて明示的に記録するという役割も担っているのだと考えています。

また今回の移行に合わせて新しく手続き画面を増やした部分では現行システムのコードの調査、社内で行われているオペレーションを取材する、など地道な下準備が占める分量が多く見込みよりずっと大変で多くの時間を要しました。

知識の伝承という意味ではまさに式年遷宮3といえます。その重要性を実感しました。

現状と今後

ひとまず新しいインフラに移行できたこと自体が成果であるといえます。

刷新したことにより実際にどのような効果が得られたのかというのはまだ評価するには早いですが、 現時点の統計でスマートフォン(タブレット端末も含む)によるアクセス割合はおよそ25%となっており、一般のインターネットでの利用動向ほど多くはないにしても多くのお客様に見やすい環境を提供できるようになったのは前進と言えます。 また、会員専用ページにあわせてASAHIネットの入会窓口4も同様の思想で作り直されているのですがこちらはスマートフォンが半分くらいを占めています。

まだ旧システムに残されているページもありますし、先述の通り移行を優先したことにより先送りした課題も存在します。 それらの改善も順次進めてお客様に使いやすいサービスを適切なコストで提供できるようにして行きたいと思います。

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  1. もちろんそのメンバーは技術者ではないので技術面でのフォローをします。

  2. 日本語ドキュメント があり便利です。

  3. 伊勢神宮で社殿を20年に一度建て替えること。定期的に新造することで宮大工の技術を伝承する意義があるとされている。

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