はじめに:スマホで見れるコーヒー残量計・・・が壊れちゃった
開発部の 8luka です。
朝日ネットの銀座オフィスの休憩ルームには2台のコーヒーメーカーがあり、多くの社員が愛飲しています。 このコーヒーの残量をwebで表示する試みが昨年の春頃から行われていたのですが( ラズパイでコーヒーポットIoT(朝日ネット in 歌舞伎座タワー))、 そのうち1台で、ある日を境に残量が表示されなくなってしまいました。
今回は、その復旧作業のご紹介です。
故障個所と修理方針
重量センサーのリード線が断線しています。
リード線4本のうち3本(白・黒・緑)が無残にもちぎれてしまっています | 本来はリード線4本(赤・白・黒・緑)がきれいに並んでくっついています |
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リード線の取り付け箇所は白い樹脂(ゴム?)で奥深く塗り固められているため、付け直すのは難しそうです。 高価なものでもないので、センサーごと交換することにしました。
交換部品がとどいたよ、でも・・・
新品のセンサーを受け取りました。が、さっそく交換にかかろう・・・という気分になれませんでした。なぜか?
唐突に出てきたこの写真、重量センサーとRasPiの間に挟まっている基板です。センサーのリード線はRasPiに直接繋げられないので、変換が必要なのです。それはいいのですが・・・
きたなくないですか?これ。(ぶっちゃけた)
申し訳程度に束ねられていますが、長すぎるリード線がうねっています。 普段コーヒーポットの裏側に隠れてそれほど目立たないとはいえ、ここを掃除する人から目の敵にされてもおかしくありません。 これが大学サークル部屋の片隅なら・・・百歩譲って個人の机の上ならまだしも、と言いたいところなのですが、 ケーブリングの大切さ を主張したそばからこのありさまでは片手落ちと言われてしまうかもしれません。
実験中のプロトタイプをそのまま運用に乗っけているようなものなので仕方ない面もあるのですが・・・
(あなたは決意で満たされた)
とはいえこの基板、故障したセンサー片方だけ取り外しての持ち帰り修理すらできません。RasPiのGPIOピン以外のすべてのコンポーネントは、リード線が直接はんだ付けされてひとつながりになっているためです。 今回のようなメンテナンスのしやすさのために、あるいは今後リード線の長さを変えたくなったりしたときのためにも、簡単に取り外せるコネクタでつながっていてほしい、という思いがふつふつと湧き上がってきました。
接点を増やしてしまうと誤作動の原因に・・・と神経質になる人もいますが、高周波な信号を扱うものでもなし、そうひどい目には遭わないでしょう。
決めました。 基板再実装します。 もう完全に趣味ですね。でもこれでいいんです、気にしないことにします。
買い出し・費用感
主要なものは以下のとおりです。
部品 |
個数 |
調達先 |
概算費用 |
備考 |
---|---|---|---|---|
歪センサー (ロードセル) |
1 | 前任者 | 0円 | 個人的に受け取りました。amazon等で相当品を購入すると 1本あたり 400円~1,000円 程度になります |
ADモジュール (HX711) |
6 | amazon | 900円 | 現行基板からきれいに取り外せる自信がなかったので新しく購入しました。 必要なのは2個ですが、ばら売りだと高価になるので、予備も含めてまとめ買いしました。 |
ユニバーサル 基板 |
1 | 秋月 | ~100円 | ここに部品を載せていきます。土台ですね。 |
ピンヘッダ | 2 | 秋月 | ~100円 | 1x40等の長いものを買って、折り取って使います。ADモジュールを載せたり、RasPiとの間の端子にします。 |
リボンケーブル | 30cm | 秋月 | ~100円 | 基板とRasPiとの間をつなぐための、10本がくっついた虹色のきれいなケーブルです。必要なのは6本なので、割いて使います。 |
ピンヘッダ用 圧着端子 |
100 | 秋月 | 400円 | リボンケーブルの先端にとりつけます。必要なのは12個ですが、ばら売りだと高価になるので、予備も含めてまとめ買いしました。 |
コネクタ用 ハウジング |
4 | 秋月 | ~100円 | こちらはばら売りで必要分のみ買いました。 |
リード線 | 2m x 6本 | 千石 | ~500円 | 基板とセンサーとの間をつなぐケーブル用です。赤・黒・白・緑の4色が入っている手ごろなものを選びました。 |
センサー用 圧着端子 |
100 | 千石 | 700円 | リード線の先端にとりつけます。必要なのは16個ですが、ばら売りだと高価になるので、予備も含めてまとめ買いしました。 |
センサー用 ソケット |
4 | 千石 | ~200円 | こちらはばら売りで必要分のみ買いました。 |
センサー用 ピンヘッダ |
4 | 千石 | ~200円 | 基板とセンサーにそれぞれとりつけます。ヒロセ電機の1x4 のものを採用しました。 |
このほか、配線材やはんだなどの消耗品があります。
修理
ここに基板があるじゃろ?
これを
こうして
こうじゃ
配線すっきり。 はんだ付けってほんとにいいものですね。
おわりに:今後の課題
こうして無事に残量の計測が再開されたのもつかの間、今度は表示用に設置していたスマホのトラブルが発生してしまいました。
電池が、パンパンに膨れてしまっています・・・
この端末がなくても社員のみなさまのお手元の IP reachable なスマホで残量確認できるのですが、やっぱりこのままではちょっとさびしいです。 「淹れて欲しい投票」のように、コーヒーポットのすぐそばで表示されていることに意味を持つ機能もありますし、新しいスマホを調達したいなあ。 もしくは、RasPiのHDMI出力って手もありますね。
いずれにしても長く使っていくシステム、利用者にとっての便利さと管理者にとってのシンプルさをうまく両立していきたいものです。
(あっ・・・部品代の経費精算しなきゃ!)
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