朝日ネット 技術者ブログ

朝日ネットのエンジニアによるリレーブログ。今、自分が一番気になるテーマで書きます。

「AsahiNet 光」の仕組みと「AsahiNet 光電話」のシステム構成

はじめに

こんにちは。株式会社朝日ネット開発部のxfuzzyです。当社から、固定電話サービスの「AsahiNet 光電話」が、2019年7月にリリースされました。このサービスは、光回線によるインターネット接続サービス「AsahiNet 光」のオプションサービスとなっています。私のチームは、このサービスに必要な、システムの開発を担当しています。そこで、今回は、AsahiNet 光およびAsahiNet 光電話の概要と、開発したシステムについてご紹介したいと思います。

「AsahiNet 光」の仕組み(ビジネス面)

当社では、「AsahiNet 光」という接続サービスをご提供しています。「AsahiNet 光」は、光ファイバーをお客様の家などに設置し、インターネットを利用できるようにするサービスです。

NTT東日本/西日本から当社が回線を仕入れて、プロバイダとしての機能を付与してお客様に提供しています。 この仕組みがわかりにくいと思うので、少し詳しく説明します。

まず、サポートは当社で行います。

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お客様は、当社に利用料を支払います。当社ではその一部を、NTT東日本/西日本に支払っています。お客様は、当社と契約し、NTT東日本/西日本との契約は不要です。 f:id:xfuzzy:20190802135946p:plain

AsahiNet 光の申込みから開通までの流れを説明すると、次のようになります。 AsahiNet 光を利用したいお客様は、まず、当社に申し込みます。 当社では、契約に必要な情報(住所や工事日など)をお客様に聞きます。 その後、NTT東日本/西日本に対して工事を依頼します。 工事を依頼されたNTT東日本/西日本は、所定の場所に光回線の設置工事を行います(実際に工事に伺うのは、NTT東日本/西日本から委託を受けた専門業者のこともあります)。 工事が正常に終われば、お客様は、インターネットが利用できるようになります。

「AsahiNet 光」の仕組み(ネットワーク面)

AsahiNet 光ではNTT東日本/西日本の「フレッツ」と同様の回線を使います。 この回線を家屋等に設置して、NTT東日本/西日本の持っているNGNを通して当社の設備までつながり、当社の設備からインターネットにつながるという仕組みになっています。

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NGNは、NTT東日本/西日本が持っている、日本全国規模のネットワークです。従来、NTT東日本/西日本は電話網を日本中に整備していたというイメージですが、最近はデジタルの、IP網という形で整備しています。 NGNにつながったアクセス回線は家に引き込むことができて、家~プロバイダの間を接続してくれますから、以前のダイヤルアップのときの、電話網(と加入者線)と同様に理解できると思います。

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AsahiNet 光電話

AsahiNet 光電話について説明します。 まず、サービス内容や料金は、NTT東日本/西日本がフレッツ光と合わせて提供している「ひかり電話」とほぼ同様です。 そのため、お客様が既にNTT東日本/西日本のひかり電話を利用している場合、電話番号や付加サービスをほぼそのまま、AsahiNet 光電話に切り替えることができます。 NTT東日本/西日本のひかり電話と異なるのは、請求やサポートを当社が行うという点です。こちらは、光回線におけるフレッツ光とAsahiNet 光の違いと同様です。

1つの光回線で、インターネット接続と固定電話の両方が使えるようになります。 光回線にHGW(ホームゲートウェイ)という機器を設置することで、分岐させて、インターネットを使いたい機器と電話機の両方を接続します。

「AsahiNet 光電話」および、NTT東日本/西日本の「ひかり電話」の技術面での特徴は、NGNにおける「最優先クラス」を使っていることです。NGNを流れるパケットには4段階の優先度を指定することができるようになっています(NGNのQoS制御機能と呼ばれています)。4段階のうち、「最優先クラス」は最も優先度の高いクラスです。ちなみに、インターネット接続では、4段階の中で最も優先度の低いクラスである「ベストエフォートクラス」を使っています(どの事業者でも同じです)。

ここまでの説明を1枚の図にまとめてみました。

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開発したシステムの構成

開発したシステムは、「顧客情報管理連携システム」というようなもので、「お客様の申込内容を保持する」「NTT東日本/西日本との間で情報をやりとりする(のを支援する)」というのが主な機能です。

AsahiNet 光電話の提供にあたって、次のような機能を設計・実装しています。

  • お客様から当社への申し込み内容を記録する(申込の種類としては、電話の開通、廃止、付加サービスの変更などがあります)
  • 当社からNTT東日本/西日本へ依頼するのを支援する
  • NTT東日本/西日本から受け取った情報を管理する(例えば、電話の工事についての情報をNTT東日本/西日本から受け取ります)
  • AsahiNet 光電話の請求を作成する

NTT東日本/西日本の仕様、社内他システムとの連携、社内ユーザー部署から見た使いやすさ、会社の中でビジネス的なやりたいこと、等をふまえて開発する必要がありました。 AsahiNet 光電話は7月1日にリリース済みとはいえ、このシステムには、まだ、改善するべき点があり、今後も引き続き対応していきます。

まとめ

AsahiNet 光とAsahiNet 光電話について紹介しました。 私は、以前は、あくまでプロバイダーのユーザーの立場でしたので、プロバイダーの仕組みについて意識することはあまりありませんでした。 本システムの開発を担当して、本記事で紹介したような形で、お客様に価値を提供しているというのは、興味深いと同時に、このような仕事ができて嬉しいです。

開発したシステムの内容や発生した課題などについて、今回の記事では詳しく書けませんでした。次の機会に詳しく触れたいと思います。

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